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翌日 弥生に会いに行くとアイツはいつも俺に背を向けてる。 だから俺ァ悪戯したくなるんでェ ![]() それに今、スゲームシャクシャしてんだ。 「弥生」 「キャアッ」 俺は弥生を背後から抱きしめた。 「すいやせん。つまずいて勢いあまって抱きついちまいやした」 「総悟さんッ」 「いけね、足挫いちまったかもしれねーや。しばらくこーしててもいーですかィ」 「……胸揉むのやめてくれませんか」 「あ、こりゃウッカリ失礼しやした」 チッ、もー少しこーしてたかったのに。 「反省したって嘘だったんですね」 俺を睨む弥生。 「嘘じゃねーでさァ。弥生に会いたさで急いで来たらつまずいちまって」 反省してるけど、今の俺ァ虫の居所が悪ィんだ。 「昨日晩飯ん時土方コノヤローがいなかったからバズーカブッ放して聞きやしたぜ。飯ご馳走したそーじゃねーか」 「あ、はい」 ムカつく なんで土方だけなんだよ。「俺さしおいてズリーでさァ。俺にも喰わせろィ、飯じゃなく弥生を」 「……何かボソッと聞こえたんですけど」 「空耳でさァ」 怒った顔で俺を見る弥生は嫌いじゃねェ。 むしろ俺をそそってもっとからかいたくなる。 でも今日の弥生は雰囲気が違う。 いつも結ってる髪を下ろして、なんで今日に限って―― 俺はピンときた。 「今日髪下ろしてんですねィ」 俺が髪に手を差し込むと弥生は竦んだ。 「あ、今朝髪結う時間なくて」 「雰囲気変わってカワイイですぜ」 フン、そんな言い訳俺に通用しねーよ。 「弥生の髪、綺麗ですよねィ」 「――ちょッ」 俺は髪じゃなく弥生の首筋に触れた。 「いい加減にしてください。これ以上セクハラすると警察呼びますよ」 「俺が警察だろーが。それにセクハラじゃなくスキンシップだって言いやしたぜ」 手を見ると――思った通りだ。 白粉が付いてやがる。 「俺の目はごまかせねーぜ」 「何が…あっ 」手を見せると弥生の血相が変わった。 「ついに旦那に喰われやしたか」 弥生が赤くなる。 ムカつく。腹の底がチリチリする。 「どーでしたかィ? 旦那はうまいんですかィ?」 訊きたくねェそんな事。 でも口が勝手にしゃべっちまうんだ。 「満足できなかったらいつでも俺んとこ来なせーよ」 「…………もう、ここに来ないでください」 顔を伏せて弥生が言う。 「総悟さんなんかキラ…」 ――やめてくれッ。その言葉の方が聞きたくねェッ。 「すいやせんッ」 気づいたら俺は頭を下げてた。 「俺、旦那に弥生取られたのがスゲー悔しくて」 弥生に嫌われたくねェ。 ……俺の気持ち、伝えてェ。 顔を上げて俺は弥生を見る。 「俺、弥生のことが好きなんでさァ」 目を見開く弥生。 そして真っ赤になって戸惑ってる。 ……わかってる。わかってんだ弥生の気持ちくらい。 「返事ァいりやせんぜ。わかってまさァ。弥生は旦那のことが好きなんだろィ」 黙って弥生はうなずいた。 チキショウッ。 心臓の辺りがズキッと痛んだ。 「……わかっててフラれるのは辛いですねィ」 「ごめんなさい」 「構いやせんぜ」 「……あたし、総悟さんとは友達になりたいです。セクハラとかなければ、総悟さんて楽しい方だし」 ――良い事思いついた。 「セフレ。その手がありやしたか」 「違います!!」 即行否定されてつまらねェ。 「チッ」 俺が舌打ちすると弥生はため息をつく。 「仲良く、してください。セクハラ抜きで」 「仕方ありやせんね。弥生に頼まれちゃー断れねーや」 弥生がクスッと笑った。 「よろしくお願いします」 ……フラれても、俺の気持ちは変わらねーぜ弥生。 |
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