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翌日 昨日銀さんに女中の話をした。予想はしてたけど返事はNO。 あたしを褒めてくれたし必要とされて嬉しかったから受けたかったのに残念だなぁ。 土方さんに断らなきゃ。 「弥生さァ〜ん俺のオアシスゥ〜」 張りのある明るい声が聞こえて近藤さんがやってきた。 「近藤さんこんにちは。やだ、オアシスはお妙さんじゃないですか」 「お妙さんは俺の天女だけどオアシスは弥生さんだよォ〜」 元気で朗らかな人だなぁ近藤さんて。 たまに「またお妙さんにフラれちゃったよォ〜」って落ち込んでる時があるけどそれくらい。 人柄が温かくて皆に慕われるのわかる気がする。さすが真選組の局長さん。 「そういえば女中の話、トシから聞いたんだろ?」 「あ、はい」 「是非やってくれるよね!?」 ああ、断らなきゃ。 「……あのそれが、せっかくなんですけど……」 「エッ、駄目なの!?」 「ごめんなさい」 「なんで!?」 「銀さんが『駄目』『無理』『断れ』の三点張りで……」 「万事屋の野郎か……」 近藤さんはケータイを取り出すと誰かにかけたみたい。 「あ、トシ。俺だけど弥生さん女中無理だってェ〜。残念だよなァ〜。一気にテンション下がっちゃったよォ。隊士全員に可愛い女中さん入るって言っちゃったのにどうしよォ」 ――え 言っちゃったの? あたしの意思に関係なく?「ああ、いるよ。わかった代わる。トシが代われって」 あたしは近藤さんからケータイを受け取って耳に当てる。 「もしもし」 『土方だけど、女中の件お前は嫌じゃねェんだな?』 「あ、はい……」 『なら問題は万事屋だな。わかった、俺が話しにそっちへ行く。帰ったら万事屋外に出さねェようにしといてくれ』 「はい、わかりました」 『じゃあ後でな』 あたしは近藤さんにケータイを返す。 「トシなんて?」 「銀さんを説得しに家へ来るそうです」 「そうかさすがトシ。トシに任せておけば安心だな」 すみませんあたしは安心出来ないです ![]() なんだか嵐の予感です ![]() 「 だーから駄目だっつってんだろしつけぇんだよマヨ野郎ッ!」銀さんが睨めば 「だからなんでだ 」土方さんが眉間を寄せて低く言う。 「まーマヨネーズは油ですからねィ」 総悟さんが口を挟む。――ってなんでいるの!? 今のは油だからしつこいと言いたかったのね。 「そこまで馬鹿か。野獣の巣窟に俺のカーワイイ嫁さん放れると思ってんのかよ」 「旦那ァ。野獣たァ聞き捨てならねーや。それァ土方コノヤローだけですぜ」 「お前は黙ってろッ!! つーか俺ェエッ!!?」 すごい剣幕で土方さんが総悟さんに言う。 「オメェもだよ」 「そーネ。マヨよりドSの方が危険アル」 「安心しろィ。テメーには間違っても手なんか出ねーよ」 「出されてたまるか。半殺しにしてやるネ」 うわー睨み合ってる ![]() 神楽ちゃんと総悟さんて仲悪いんだなぁ。 総悟さんが家に来た途端メンチ切り合って喧嘩して。喧嘩というより殺し合いの勢いだったけど。銀さんと土方さんが止めなきゃ家壊れてたかも ![]() 「早く話進めませんか」 「あれ、新八いたの?」 「さっきからいましたよ!! 目の前にいただろうが!!」 銀さんに新八君がツッコむ。 「ああ話を進めよう」 「弥生ー飯まだですかィ。さっきから腹空かして待ってんですぜ」 「お前は黙ってろっつーのッ!! 話が進まねェだろッ!! それに飯なら屯所で食ってきただろうがッ!!」 「何言ってんでィ。弥生の飯は別腹」 「女みてェなこと言うなッ!」 「サディストに食わす飯なんかないアル。私の銃弾食わせてやろーか」 神楽ちゃんが番傘を総悟さんに向けて構えた。 「おー蜂の巣にしたれ神楽。つーか誰よこのマイペースなS王子入れたの。追い出せよ」 「連れてきたのが間違いだった」 土方さんが大きなため息をついた。 「嫌ですねィ旦那。ほんのオチャメでさァ」 「いつまで脱線してたら気が済むんだァ!! 話進まなそうだから僕もう帰らせていただきます」 痺れを切らして新八君が立ち上がった。 「誰も引き止めてねぇよダメガネ」 「酷いこと言わないで銀さん」 「ゴメ〜ン弥生。銀さんは弥生がいてくれればいいからさっ 」――ちょッ みんな見てるからこんなとこで抱きしめないで銀さんっ。「アツアツですねィ旦那」 「アツアツって古ぃーヨ。オメーいくつだヨ」 「うるせーチャイナ」 そんな事をしてる内に新八君が玄関に向かってしまってあたしは追う。 「姉上が心配しますので帰ります」 「気をつけてね新八君」 「どうなったか明日聞かせてください」 「うんわかった」 新八君を見送ってあたしは銀さんの隣に戻る。 「弥生は女中をやる気あるわけだ。やらせてやりゃァいいじゃねェか」 「ふざけるな。飢えた野獣の群れで弥生がエロイ目で視姦されるだけでもやなんだよ」 「弥生の操が危険ネ」 ――操なんて言葉知ってるの神楽ちゃん!? 「操ならもー旦那が」 「あ、あのね銀さん。聞いてくれる? あたしね、家事しか取り柄ないの。だから女中やってみたいって思うの」 「駄目だ。銀さんはお前のためを思って言ってんだぜ」 「こんなあたしを必要としてくれるってすごく嬉しかったの。そんなこと言われたの初めてで。それに家賃払わないでいい分稼いだお金は銀さん達に使いたいの。もっとおいしいご飯作ってあげたいし」 「今だって充分だよ。銀さんだって仕事頑張るからお前がそんな無理して稼ぐことねぇんだ」 「よく言いやがるぜ。万年金欠自由業が」 「弥生の方がずっと立派でさァ」 「ちょっとッ!! 俺今すげぇ傷ついたんだけどッ!!」 「銀さん、ダメ?」 「…………」 銀さんは大きなため息をついた。 「そこまで言うならわかったよ。ただし少しでもやなことあったら辞めろよ。無理して働くことだけは禁止な」 「ありがとう銀さん!」 嬉しくなってあたしは銀さんに抱きついてた。 「銀ちゃんいーアルか? 私心配ヨ」 「俺だって心配だよバカヤロー。でもこんなに俺達のこと考えてくれる弥生を反対するのもよぉー」 「弥生、野獣共に何かされたらすぐ私に言うヨロシ。特にドSな」 「うん、ありがとう神楽ちゃん」 総悟さんが「チャイナテメー」とか言ってたけどあたしはうなずいた。 店長に相談したら土日は大江戸ストアが忙しいから出てもらえたらなんとかなるとの事で、あと三日は真選組の屯所で女中の掛け持ち。 よーし、これから女中のお仕事も頑張ろう!! |
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